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雷鳴

  • Posted by: Hachiro
  • 2015-08-03 Mon 21:00:12
  • 穂高
今日はザイテングラートで一件と西穂付近で一件の死亡事故が起きてしまいました。
特にザイテンのは個人的に力を入れてルート整備をしてきただけにことさらに残念です。


もちろん我々の微々たる力で穂高から事故をなくすことなど出来ないことはわかっていますが、
こういう現実を突きつけられるたびに無力感みたいな何とも云えないものを感じます。



150801 月夜雷鳴
(2015/08/01  雷鳴の月夜)






ただ、このブログでも幾度か記してきましたが、
起きてしまった遭難に対処することはとても重要ですが、それと同じように大切なのが遭難を未然に防ぐことであろうと。


志ある者たちの懸命の救助が人の命を救うことはもちろんで、ぼく自身もその片隅に身を置いています。

ただ同時に、日頃の地道な登山道補修や雪切りが、あるいはひとつの石のステップやマーキングが、人知れず登山者の命を救うことを小屋番としてのぼくは知ってもいます。

世の中はそうした人知れず成された仕事の上に多くの安心や安全が保たれているはずで、ぼくが穂高の先人たちから教わり学んだのもそういうことでした。

ですからぼくは救助した人の数を誇るよりも、たぶん誰も知らへんであろう助けずに済んだ人々の存在を誇れるようでありたい。


夏山シーズンたけなわで、連日賑わうお客さんのお世話で正直手一杯なところは否めません。
それでも明日もわずかな時間に登山道の石一個でも直す、小屋を守るべく石垣を少しでも直す、というのは我々小屋番のささやかな矜持や誇りとちゃうんかなと。


時に思わず「あー しんどっ」とボヤきながらもです。





お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。






























Comments: 1

よいどれ医者 URL 2015-08-10 Mon 10:05:09

「救助した人の数を誇るよりも、たぶん誰も知らへんであろう助けずに済んだ人々の存在を誇れるようでありたい」
素敵な言葉です。

私自身「体調不良者が出たけど、医者がいたので助かった」と言われるより、「医者がいたから体調不良者が出なかった」と言われるようにしたいです。
ことが起こってから山の中でできることはほんのわずかです。

3000メートルの頂で一週間過ごし、そう感じました。

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