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たのむ…

  • Posted by: Hachiro
  • 2013-04-29 Mon 20:26:48
  • 穂高
事故が起こってしまった。


除雪をしていたら奥穂の雪壁から叫び声とともに人が落ちてきた。

見るからに重傷だがそれでも確かにまだ息のある要救助者を、山荘のみんながそれぞれの立場で力を尽くしヘリ収容した。

誰も言葉にはしなかったけれど「たのむ… なんとか助かってくれ」と心の中で祈りながらことにあたっていたと思う。




夕刻、岐阜県警を通じて一報が入った。
まだ集中治療室に入っていて予断はゆるさないけれど、なんとか一命は取り留めたと。


よかった…
ほんとうによかった と少しだけ安堵。


重苦しかった仲間たちの表情もちょっと明るくなった。






…それにしても、
レスキュー対応の真っ只中に、
「事故があったと聞きましたがその人は生きているんですか? 死んだんですか?」と電話をかけてきた某テレビ局、
あまりの腹立たしさに「そんなもんっ! しらんわい!!」と思わず電話を叩ききってしまったが、
少なくとも我々は現場で全力を尽くしてその人を救おうとしている。

その相手に、そんなこと聞いてくるなよなと思う。






〈スミマセンです  今日は何も写真はありません〉

































Comments: 4

graph URL 2013-05-01 Wed 10:10:32

営業開始早々の事故救助、本当にご苦労様でした。ニュースを見て、事故に遭われた方がご夫婦で入山されたと知って、他人事とは思えず大変心配でした。一命はとりとめたとのことでホッとしました。

Hachiro URL 2013-04-30 Tue 22:07:00

大川 さま

お心遣いのアドヴァイスありがとうございます。

そうですよね。
人の生き死にを目にしてしまう小屋番という立場は、
自分の実力以上のことに足を踏み入れてしまう危うさを常々感じています。


でも、実際に目の前に山で傷ついた人がいるならそれを何とかしたいし、そう出来るのも我々しかいない。

そして仰るとおり2次遭難は決して起こしてはならない。


その狭間で常に登山者の安全を祈っているのが小屋番たるものです。



お言葉、ありがとうございました。

またこれからもがんばります。

大川耕三(表銀座元住人) URL 2013-04-30 Tue 20:00:18

お疲れ様でした。 私も小屋経験者で、山の事故を聞くたびに心が痛みます。
要救助者がいると、勢いで行動してしまい事故の安全が疎かになることもありますので、今の時期2次遭難の可能性も多く気を付けてください。 

URL 2013-04-30 Tue 12:06:14

一命をとりとめてよかったですね。「現場」にいれば、まずは事故者を救うことに皆必死なのです。外部の第三者の口出し無用。

昨年のケースもあります。深謀配慮痛み入ります。、、、「電話機に罪はないのに、つい、、、、」

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