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2017年12月 Archive

雪煙の稜線

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-12-31 Sun 10:41:37
  • 穂高

昨日は「天気晴朗なれど風強し」。

それでも強風の中、幾人もの方が穂高稜線を目指しておられました。


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(2017/12/30 涸沢岳西尾根2600m付近にて)



今日の午後からは天気は崩れるようで、正月はあいにくの風雪となってしまいそうです。
稜線に上がられた方は早めに安全地帯まで下るかテントなどで寝正月を決め込むかですかね。


ともかく事故なきことを祈ります。

(と、偉そうなことを言ってる自分が一番信用ならんのですけれど)





一年の終わり、稜線の烈風を示すように奥穂とジャンからしきりに雪煙が上がっていました。


P1199581.jpg
(2017/12/30 雪煙あがる奥穂高岳とジャンダルム)





それではみな様、よいお年を。



































俺たちのトレース

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-12-23 Sat 14:31:56
  • 穂高
某雑誌の取材で涸沢岳西尾根から奥穂高岳登頂というルートを、私と星野秀樹カメラマンそれにサポート役のもう一名を加えた3名で登って来ました。

各山岳雑誌で活躍する星野秀樹=「星やん」とは、彼が学生時代に穂高岳山荘にアルバイトに訪れた頃からの知り合いで、かれこれ30年近い付き合いになります。
スチールとムービーという違いはあれど、お互い「山を撮る」ということを生業としており、私は星やんの一本ビシッと筋の通った仕事ぶりにはいつも賞賛と感嘆の思いを抱いておりました。

いつだったか取材撮影で彼が穂高小屋へ訪れた際、イッパイ呑んだ勢いで、
「星やん、こんど冬の西尾根取材とか一緒に行かへん? トレースの無い時期に下からきっちりラッセルして、で次は稜線の冬期小屋で呑もうや!」と盛り上がったのです。
ところがなかなかに互いの仕事や天候の巡りが上手く合わず、今回ようやく、かれこれ5年越しにその話が実現する運びとなったのです。



PC200137.jpg
(2017/12/20 涸沢岳西尾根・蒲田富士付近をゆく)




「他人の踏み跡をたどるのなんかオモロナイ! 自由に、思う存分、俺たちだけのトレースを残そうぜっ!」
と、敢えて人のいない時期を狙って往年の勢いのまま燃えて挑んだのはよかったのです。

でも今年は近年になく雪が多くて、樹林帯はもとより蒲田富士付近でも「もうエエわ! もう充分デス… スミマセン。。。」というラッセルにつぐラッセルでした。
天気巡りにはバッチリ恵まれたとはいえ、もう「アラフィフ」になってしまった我々にはいささか過酷過ぎだったかもしれません。


でもそうしてたどり着いた稜線は素晴らしかった。


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(2017/12/21 冬至前日の朝陽)



折しもまた今年も穂高稜線で「冬至」を迎えたわけですが、前穂に最も近づいた太陽はとても幻想的な朝を見せてくれました。

星やんも歓声をあげながらシャッターを切り続けていて「いやー もう見開き100頁くらい良いの撮れたっすよー」とご満悦。




そうして極めた奥穂山頂では、流れる雲の中からそりゃあもう見事なジャンダルムが姿を現してくれました。


A091_11191641_C015_000541.jpg
(2017/12/21 厳冬のジャンダルム)




いやー 厳しかったけど、楽しかったなぁ。


掲載がいつになるのか知らないのですけれど、いずれ星やんの素晴らしい写真が紙面を飾ると思います。
乞うご期待!











































足跡

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-12-04 Mon 10:33:31
  • 穂高
雪の中を歩いていると、よく動物の足跡を見かけます。
キツネやタヌキにテンやウサギ…
それらが姿を見せるのは稀ですが、無雪期には気づかないその足跡を見ると、ヤツ達はこれほどたくさんうろついているのかと驚かされます。



171203 足跡



その足跡も、こうしたメルヘンちっくなのなら、なんてことはないです。

でも先日のこんなのは、ちょっとシャレになりません。


171128 足跡


水気の多い湿雪に、爪の痕までくっきりと…


ひょえぇぇ〜 くっくっくっ クマやんけぇぇ!
しかもまだ新しい!


折しもニュースで「栂池でバックカントリースキーヤーがクマに襲われて重症」ってのを見たところでした。

今冬は雪が早くて冬眠前の食糧にありつけず、ハラを減らしてウロウロしてて、凶暴になっとるんやろか?
そら人間だってハラ減ると気が立つし、、、
などといらぬ妄想がどんどん膨らみます。

その日は夜通し月夜の撮影をするつもりだったのですが、コワイのでもう下りてしまおうかと。
でももう夕暮れが目の前で、途中で暗くなったら最悪です。


171202 西尾根にて



結局、撮影しつつ夜明かししました。
でもシュラフに入って横になる気にもなれず、ツェルトから首だけ出して、時おりアイフォンで音や光を発しながら過ごしたのですが、いやぁ、寒さと怖さに震えながらの夜はとても長かった。

で、ようやく周囲が明るくなり、よし下山や! と。
でもそうするとその道中がますますヤバく思えてきて、こらぁ万が一のために状況を伝えておかんとマズイぞと、なけなしのバッテリーに気を使いつつ家人にラインしました。
すると「大きな声で歌いながら歩けば?」との返信。
「はぁ⁈ なにのんきなこと言うとんねん!」と、一瞬ムッっともなったのですが、
すぐに「なに歌お…?」と、
で、出てきたのが
「あるぅ日っ、森の中っ、クマさんに、出会っ……
って、出会ったらあかんやんけ!」
といきなりのひとりボケのひとりツッコミ。

もうコワイのだかアホらしいのだかハズカシイのだかよくわからない状態。

私は常々、穂高でクマ鈴を付けて歩いている方を見るにつけ「うっさいなぁ、穂高の稜線にクマなんかおらんわ!」とクマ鈴に批判的だったのですが、そのときばかりは何かしら音を出すものが欲しかったです。
(でも音を出してると良いというのもほんとうなのかどうなのか)

だいたい、こんな髭ヅラのおっさんが大声で歌いながら雪の中を歩いてるって、そんなの出会うのがクマならともかく、ヒトだったらどうしようみたいな。


そんなわけで、その姿があまりに不気味だったからか、クマには出会うこともなく、無事下山できました。



あー コワかった。






























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