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2017年09月 Archive
錦秋の週末
- 2017-09-30 Sat 20:58:05
- 穂高
今日も稜線から日帰りで紅葉撮影。

(2017/09/30 涸沢紅葉)
秋晴れのしかも週末の涸沢は、それはそれは大勢の人々で賑わっておりました。
その中で今日私が特に印象的だったのは、訪れていた方どなたもが満足げな表情をされていたことです。
例えば撮影中にこんな会話が耳に入ってきました。
「やーオレ、こんなキレイなもの目に出来て幸せやわ〜
オレ達サラリーマンは、週末と晴れと紅葉のピークが一致せんと、こんなのなかなか見られないもんな」
「そうだよなー、だからオレも今週末はその条件が揃いそうだったんで、思わず金曜日にばあちゃんが危篤ということにして休んだんよ。
いやー、良かったわぁ! サイコーだぁぁ!!」
ナルホド、
そうですよね。
普通のお勤めをされている方々が、こうした紅葉の最盛期の涸沢に身を置くというのはなかなかに難しいことであろうし、
しかもそれがドンピシャリに今日のような秋晴れとなるのはそうはないですよね。
行き交う老若男女すべての方が、錦織りなす光景に感嘆し、感動し、錦織りなす涸沢の秋を堪能されていたように思います。
そして稜線に戻って見下ろす涸沢には大テント村が出現しておりました。
その数なんと1400張!
何といいますかその夜景の光ひとつひとつからは、素晴らしい景色に出会えた人々の喜びが伝わってくるようでした。

(2017/09/30 涸沢テント村の夜景 6:30 p.m.)
まあでも、小屋番としての本音としては、このトンデモなテントの数は「キレイだな〜」とか言ってる場合じゃないのです。
稜線の小屋は、まあなんとかほどほどの混雑で収まっていますけれど、涸沢の2件の山小屋は連日大幅に定員をオーバーしていて、
そのスタッフ達は連日の激務でヘロヘロのはず。
同業者としてはその過酷さがわかるだけに、どうかがんばれよと祈るばかりです。
マラソンで言えば35キロくらいを超えて今が一番キツイところ、でもゴールはもうそう遠くはないゾ。

(2017/09/30 涸沢紅葉)
秋晴れのしかも週末の涸沢は、それはそれは大勢の人々で賑わっておりました。
その中で今日私が特に印象的だったのは、訪れていた方どなたもが満足げな表情をされていたことです。
例えば撮影中にこんな会話が耳に入ってきました。
「やーオレ、こんなキレイなもの目に出来て幸せやわ〜
オレ達サラリーマンは、週末と晴れと紅葉のピークが一致せんと、こんなのなかなか見られないもんな」
「そうだよなー、だからオレも今週末はその条件が揃いそうだったんで、思わず金曜日にばあちゃんが危篤ということにして休んだんよ。
いやー、良かったわぁ! サイコーだぁぁ!!」
ナルホド、
そうですよね。
普通のお勤めをされている方々が、こうした紅葉の最盛期の涸沢に身を置くというのはなかなかに難しいことであろうし、
しかもそれがドンピシャリに今日のような秋晴れとなるのはそうはないですよね。
行き交う老若男女すべての方が、錦織りなす光景に感嘆し、感動し、錦織りなす涸沢の秋を堪能されていたように思います。
そして稜線に戻って見下ろす涸沢には大テント村が出現しておりました。
その数なんと1400張!
何といいますかその夜景の光ひとつひとつからは、素晴らしい景色に出会えた人々の喜びが伝わってくるようでした。

(2017/09/30 涸沢テント村の夜景 6:30 p.m.)
まあでも、小屋番としての本音としては、このトンデモなテントの数は「キレイだな〜」とか言ってる場合じゃないのです。
稜線の小屋は、まあなんとかほどほどの混雑で収まっていますけれど、涸沢の2件の山小屋は連日大幅に定員をオーバーしていて、
そのスタッフ達は連日の激務でヘロヘロのはず。
同業者としてはその過酷さがわかるだけに、どうかがんばれよと祈るばかりです。
マラソンで言えば35キロくらいを超えて今が一番キツイところ、でもゴールはもうそう遠くはないゾ。
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深まる秋
- 2017-09-24 Sun 11:30:18
- 穂高
いつの間にか秋分も過ぎてしまって、秋が深まっていますね。

(2017/09/14 奥穂高岳山頂付近にて)
朝方はもう零度近くまで気温が下がりますが、晴天の日中は気持ちの良い陽ざしに包まれます。

(2017/09/24 6:00 a.m.)
涸沢もかなり色づいてきました。
今週末あたりが見頃となりそうです。

(2017/09/24 涸沢俯瞰)

(2017/09/14 奥穂高岳山頂付近にて)
朝方はもう零度近くまで気温が下がりますが、晴天の日中は気持ちの良い陽ざしに包まれます。

(2017/09/24 6:00 a.m.)
涸沢もかなり色づいてきました。
今週末あたりが見頃となりそうです。

(2017/09/24 涸沢俯瞰)
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事故多発
- 2017-09-14 Thu 11:50:31
- 穂高
今月に入って穂高での遭難死亡事故が続いています。
こちらの耳に入っているものとして、
9月3日、ザイテングラードで滑落
9月7日、大キレットA沢のコルで滑落
9月9日、4日朝から行方不明だった方が慶応尾根付近の沢で発見
9月11日、北穂滝谷でクライミング中に転落
9月14日、涸沢槍付近で大学生が滑落
と、まだ9月は半ばだというのに今月だけでもう5名もの方が亡くなっています。
その内の3件については多少なりとも私自身も関わりを持つものです。
というのも、ザイテンや涸沢槍は夏のシーズン前に登山道補修を行なったルートでしたし、
滝谷ではその救助活動中に遭難者が心肺停止となるというものでした。
とはいえ、ザイテンや涸沢槍の発生現場は危険箇所として私たちが手を入れた「いかにも」というようなポイントではなく、
それは一見するとなんでもない(それでも一歩誤ればとり返しのつかない)ような所です。
また滝谷での一件も、あの絶望的な状況では如何ともし難いものでした。
登山道補修にせよ、遭難救助にせよ、もちろんそれを行なったからといって死亡事故をなくすことは出来ません。
そんなことは重々承知の上で、私たち小屋番はそうした仕事に毎年力を注いできています。
でも、こうした事故が続くとなんというか躰から力が抜ける気がしてしまうのです。
滝谷で亡くなったのは22歳の前途ある若者でしたし、涸沢槍はまだ10代の大学生でした。
なんだかほんとうに無念ですし、やりきれない。
ここ数年9月に遭難事故が多いのは、そもそもの登山者数の増加が背景にあるとは思います。
もう毎年のように梅雨明けが遅くなり、8月も不安定な天候となる傾向の中、安定した好天を求めて9月に登山者が多く訪れるようになったのでしょう。
そうした分母が大きくなれば、遭難件数も増えるということは頭では理解できます。
でも遭難死亡事故というのは、当然その一人ひとりにご家族や肉親があるわけで、そのそれぞれに言いようのない悲嘆が存在するはずです。
それは数の多い少ないで語られる類のことでもないでしょう。
この穂高での悲劇を少しでも減らすためには、
その一歩を踏み出す、その方ご自身の確たる自覚以外にありません。
穂高に足を踏み入れるということは「その一歩を誤った場合には命を喪うことをも同意する」という契約書にサインするということです。
そしてその約束には、年齢や性別、地位や職業や肩書きなど、人間側の理屈や都合は一切関係ありません。
山はどんな人にもいっさい分けへだてなく、時に牙を剥き、そして微笑みます。
どうかお気をつけて。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

(2017/09/13 雲流れるジャンダルム)
こちらの耳に入っているものとして、
9月3日、ザイテングラードで滑落
9月7日、大キレットA沢のコルで滑落
9月9日、4日朝から行方不明だった方が慶応尾根付近の沢で発見
9月11日、北穂滝谷でクライミング中に転落
9月14日、涸沢槍付近で大学生が滑落
と、まだ9月は半ばだというのに今月だけでもう5名もの方が亡くなっています。
その内の3件については多少なりとも私自身も関わりを持つものです。
というのも、ザイテンや涸沢槍は夏のシーズン前に登山道補修を行なったルートでしたし、
滝谷ではその救助活動中に遭難者が心肺停止となるというものでした。
とはいえ、ザイテンや涸沢槍の発生現場は危険箇所として私たちが手を入れた「いかにも」というようなポイントではなく、
それは一見するとなんでもない(それでも一歩誤ればとり返しのつかない)ような所です。
また滝谷での一件も、あの絶望的な状況では如何ともし難いものでした。
登山道補修にせよ、遭難救助にせよ、もちろんそれを行なったからといって死亡事故をなくすことは出来ません。
そんなことは重々承知の上で、私たち小屋番はそうした仕事に毎年力を注いできています。
でも、こうした事故が続くとなんというか躰から力が抜ける気がしてしまうのです。
滝谷で亡くなったのは22歳の前途ある若者でしたし、涸沢槍はまだ10代の大学生でした。
なんだかほんとうに無念ですし、やりきれない。
ここ数年9月に遭難事故が多いのは、そもそもの登山者数の増加が背景にあるとは思います。
もう毎年のように梅雨明けが遅くなり、8月も不安定な天候となる傾向の中、安定した好天を求めて9月に登山者が多く訪れるようになったのでしょう。
そうした分母が大きくなれば、遭難件数も増えるということは頭では理解できます。
でも遭難死亡事故というのは、当然その一人ひとりにご家族や肉親があるわけで、そのそれぞれに言いようのない悲嘆が存在するはずです。
それは数の多い少ないで語られる類のことでもないでしょう。
この穂高での悲劇を少しでも減らすためには、
その一歩を踏み出す、その方ご自身の確たる自覚以外にありません。
穂高に足を踏み入れるということは「その一歩を誤った場合には命を喪うことをも同意する」という契約書にサインするということです。
そしてその約束には、年齢や性別、地位や職業や肩書きなど、人間側の理屈や都合は一切関係ありません。
山はどんな人にもいっさい分けへだてなく、時に牙を剥き、そして微笑みます。
どうかお気をつけて。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

(2017/09/13 雲流れるジャンダルム)
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稜線秋色
- 2017-09-10 Sun 08:21:27
- 穂高
昨日は9月上旬としては異例の賑わいとなりました。
移動性高気圧と週末とが合致した絶好の登山日和、
きっと夏の不安定な天候を敬遠していた方々が大勢お見えだったのでしょう。

(2017/09/10 4:10 a.m. 登山者の光の列)
今朝は夜明け前から奥穂を目指す登山者が列をなし、明るくなってからも途切れることはありませんでした。

(2017/09/10 秋色の稜線と登山者の列)
稜線はもうすっかり秋色です。
この季節、朝夕と日中の寒暖差が激しくなります。
朝方には氷が張るほど冷えても昼間はTシャツで行動できるほど暖かなことも。
ウェアリングに注意が必要なシーズンですね。
さて、気持ちのよい晴天をもたらす次の移動高はいつかな、、、

(2017/09/09 奥穂高岳稜線)
移動性高気圧と週末とが合致した絶好の登山日和、
きっと夏の不安定な天候を敬遠していた方々が大勢お見えだったのでしょう。

(2017/09/10 4:10 a.m. 登山者の光の列)
今朝は夜明け前から奥穂を目指す登山者が列をなし、明るくなってからも途切れることはありませんでした。

(2017/09/10 秋色の稜線と登山者の列)
稜線はもうすっかり秋色です。
この季節、朝夕と日中の寒暖差が激しくなります。
朝方には氷が張るほど冷えても昼間はTシャツで行動できるほど暖かなことも。
ウェアリングに注意が必要なシーズンですね。
さて、気持ちのよい晴天をもたらす次の移動高はいつかな、、、

(2017/09/09 奥穂高岳稜線)
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