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2017年07月 Archive

雨のち曇り、時々晴れ

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-07-29 Sat 08:41:54
  • 穂高
なんだかぜんぜん天気が安定しませんね。

北陸地方が梅雨明けしないと北アルプスにも夏空が広がらないわけなのですけれど、
どうやら南海上でうろうろしている台風も悪さをしているようです。

まぁでも、晴れるばかりが山でもないわけで、昨日の横尾の歩き出しは雨でしたけれどそれなりに趣きのある光景を目にしました。






170728 雨の夏休み
(2017/07/28 横尾にて)






170728 雨の家族
(2017/07/28 雨の家族)






170728 霧の雪渓
(2017/07/28 青ガレ付近)






170728 やたっ、晴れた!
(2017/07/28 やたっ、晴れた!)





170728 天候回復2
(2017/07/28 青空のぞく)




何にも見えない悪天の中で、雲や霧に覆われていた山が突如として姿を表すのに出会うとテンションあがりますよね。

上の4枚目の写真の方も、現れ始めた山肌を見て「っしゃあぁぁぁ!」とばかりに腕を広げていて、
それをファインダーに捉えられた私も心中小さくガッツポーズでした。


はじめから晴れていては、こうした感動にも出会えぬというもの、
あんまし天気予報の「曇りマーク」に振り回されるのもシャクですから、
思わぬ晴れ間に出会えることを期待してお出かけになるのも一興だと思います。

でも、くれぐれも本格的な悪天時には穂高の稜線歩きはお控えください。
危険度が増すだけでなーんにも良いことはありませんから。










あれっ ?

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-07-21 Fri 06:26:48
  • 穂高
ここ数日は、ひたすらザイテンの道直し。
やたらと強烈な陽射しの中での作業はヘロヘロになります。
なので小屋へ戻ると日々のニュースを見る間もなくバタンキューでした。


170720 夏雲_02
(2017/07/20 ザイテングラートにて)



で、、、 あれっ ? いつの間にか梅雨明けしてたんや、
今朝聞くまで知らんかった。

そういえば昨日の午後には、「いかにも」って夏雲も出ておりました。













小さな命

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-07-18 Tue 08:37:55
  • 穂高
昨日の夕方、ザイテン道直しの帰り道のことです。

微かな、それでいて確かなあの鳴き声が耳に入りました。
(「ライチョウや!」)

あたりをそっと見回すと、高山植物の咲き始めた草むらの中に、クークーとヒナたちを呼びあつめる母鳥をまず見つけました。
そしてしばらくそのまま観察していると、やがて周囲の植物の陰でちょこまかと動くヒナを一羽、また一羽と発見。
つごう四羽のヒナを確認できました。

170717 ライチョウ親子
(2017/07/17 ライチョウ親子)


生後まだ一週間ほどでしょうか、まだ体温調節ができないヒナたちは、しばらく動きまわっては母鳥のお腹の下にもぐり込んで温めてもらいます(「抱雛」といいます)。
そしてしばらくするとまた母鳥の下からひょっこりと顔を出し、付近を活発に動きまわるのです。

ここしばらく山では気温が10℃そこそこまで下がる寒い日が続いていますし激しい降雨の日もあったはずです。
そんな過酷な環境の中で、よくぞこうした小さな命が生きていることだと感動します。

夕暮れまでには小屋へ戻らねばならないことも忘れて、私は草陰にその親子が姿を消してしまうまでその場を動けずにおりました。


早く梅雨が明けて、燦々と暖かな日差しが、あの親子たちに降りそそいで欲しいものです。

















夏山開幕

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-07-15 Sat 21:10:37
  • 穂高
今年の夏山はいきなりのレスキューで幕を開けました。
それも現場ビバークを強いられるけっこうショッパイやつ。

要救助者は槍ヶ岳から穂高を目指した韓国グループの方で、頭部裂傷など瀕死の大怪我でした。
かなりの出血もあったしその様子からひと晩を持ちこたえてくれるか危ぶまれたのですが、なんとか生還への朝を迎えることができました。


 1
(2017/07/15 5:54 a.m.)



長い夜、意識の有無の確認のために要救のおじさんに時々話しかけるのですが、
カタコトの日本語で「ワタシ、ダイキレットハダイキライ」とか言うので、
「や、ここはダイキレットじゃなくてカラサワヤリっすよ」と答えると、
「アー、、、カラサワヤリモダイキライ」とか、なんだかボケてるのか真面目なのかよくわからないようなやりとりが続きました。
もちろんゼーゼーと時折苦しそうだしモウロウとしていることはわかっているのですけれど、そう簡単にアッチの世界へいってもらうわけにもいかないのでともかくも声をかけるのです。
そして、そんなやりとりの幾度目かに「そういやぁ、おじさん歳いくつっすか?」と尋ねると「ごじゅううさんさいデス」との返事。
(「なんや、もっと歳かと思ってたらオレとほぼ同い年やん…」)、
続けて「奥さんとか子供さん韓国におるんスよね?  ほらこんなとこで死んどる場合とちゃいますやん、ゼッタイ帰ったげなあかんですよ」と。
すると私の言葉がわかったのかどうか、血まみれで腫れ上がった瞳の奥に何かを訴えかけるような光が見てとれました。


寒さに震えた長い夜もようやく明け、やがて常念岳から昇った力強い朝陽が私たちを照らします。
そして彼方からついに聞こえてきたヘリの音が耳に入ったのでしょう。
おじさんは私たちへの感謝を示そうするのか、しきりに胸で手を合わせようとします。
でも折れた手はあまりうまく動かないようで、そっとその手を握ってやるとおじさんは驚くほどの力で私の手を握り返してくるではないですか、
ふいに私の胸に熱いものがこみ上げ「よしゃあ! 帰れる、帰れるぞ‼︎ おじさんっ、、、 よーがんばった!」と思わず涙がにじんできてしまいました。


おじさんを乗せて病院へと向かってくれたヘリを見送り、重い体を引きずるようにして小屋へ帰り着きました。
やがて警察を通じて「集中治療室にて無事一命を取りとめた。頭のケガも今のところ脳への明らかな異常はない模様」との知らせが入りました。
現場出動した者も、小屋を少人数で苦労して切り盛りしてくれたスタッフも、一同「いやぁ〜 よかった! よかった、よかった!」と。
(レスキューってなにも現場に行った人間だけが行うものでもないんです。それはいつも事に携わる者すべてでの総力戦です)

だから、ほんまによかったです。

そしてほんとうに思うのは、我々が力を尽くした以上に、あのおじさんがよくがんばってくれたということ。


悲しいことに穂高では毎年多くの命が失われています。
これからの夏にも、穂高ではこうした遭難がどうしようもなく起きてしまうでしょう。
でもあたり前の話ですが、誰も遭難しようとして山へ登る人はいません。
そして事故というものは、ビギナーやベテランを問わず起こり得るのです。
今回の韓国のおじさんはパーティのリーダーであって、これまでに幾度も槍穂縦走の経験のある方でした。
つい先日には友人のやはりベテランが北穂南稜のなんでもないところであわやの事故に遭いました。

こうして偉そうなことを記している私だって、いつ何時やらかしてしまうかわかったものではない。
「いちばん信用ならないのは自分だ」ということを繰り返し己に言い聞かせなければなりません。

だから、
慎重にならなければいけない。
謙虚でなければいけません。
山を畏れなければならないのです。


何も人は死ぬために山に登るのとちゃうんです。
生きるために登るんです。
きっと皆それぞれが、ふだん日常の暮らしでは得ることのできない自分の命が精一杯に輝く時を求めて、山に身を置くはずなのです。



どうかこの夏、あなたの(そして私の)そのいのちがめいっぱいにこの穂高で輝かんことを…





120719 涸沢岳より奥穂2
(涸沢岳より、夏の朝陽輝く奥穂高岳)










































































かなり夏山

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-07-14 Fri 05:50:58
  • 穂高

170714 夏の朝_01
(2017/07/14 4:49 a.m.)



うん、ええ朝や。




































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