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2016年07月 Archive

滝雲

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-07-29 Fri 14:40:26
  • 穂高
昨日、ようやく関東甲信越も梅雨明けとなりました。

これでようやく夏らしい日が続くのかと思いきや、今朝はやたらと湿気の多い朝でした。
でもおかげで雲の表情がとても豊かで大雲海やブロッケンが現れ、北穂には見事な滝雲がかかったりもしていました。


160729 北穂滝雲^
(2016/07/29 涸沢岳より)



さて、前回の「梅雨明け」の記事でも穂高での死亡事故をお伝えしましたが、今日もです。

小屋からすぐの奥穂ハシゴ場の少し上で、下山中の方が、登りの方とのすれ違いざまにほんのわずかルート脇に一歩を踏み出したところ、足元の岩が抜けたのかスリップしてしまったのか、約100mほどを転落、お亡くなりになりました。

楽しみとして山に登っているにも関わらず、突然に断ち切られてしまう命……


今日は収容にも関わっていますので記す言葉もありません。

ただただ合掌です。








































夏の一日

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-07-23 Sat 08:26:28
  • 穂高
天気予報を裏切っての連日の晴天が続いています。
北の高気圧に覆われているので気温はちょっと低めではありますが、なんだかんだと夏らしくなってきました。


160722 朝焼けと人々2
(2016/07/22 穂高岳山荘からの夜明け)


昨日も今朝も、こうした見事な夜明けで夏の一日が始まっています。







さて、お隣の友人ー涸沢ヒュッテのスッタフで「孔也(こうや)くん」という若者がおります。
ことあるごとにサケを過ごしては先輩に叱られる「イジられキャラ」であるのですが、その彼に意外な才能が……
それは「作曲」であるそうで、穂高や涸沢の自然からインスピレーションを受けてはパソコンで音楽にしてきたそうです。

その彼がこのたびCDアルバム「抱 ~idaki~」を自主制作しました。(涸沢ヒュッテなどで販売予定デス)

で、数ヶ月前に「はちろーさんっ! ボクCD出すんスけど、音楽だけだとアレなんで、ちょっと2曲ほどに映像つけていただけませんかっ?!」と、そのキラキラしたつぶらな瞳でお願いされたのです。

そりゃあ他ならぬ涸沢ヒュッテさん絡みの頼みとあらば、ひと肌もふた肌も脱がせてもらわなあかんやろ! ということで、こんな映像を作らせていただきました。

ひとつは「穂高 ー峻嶺の岳人ー」、穂高の夏の一日と岩の稜線をいく登山者を描いています。
もうひとつは「涸沢 ー四季 彩の調べー」、涸沢の四季のうつろいを描いたものです。








涸沢 ー四季 彩の調べー from Hachi Production on Vimeo.






CDと併せてDVDも販売もするそうなので、ご自宅のTVなどでご覧いただく用に如何でしょうか。

なにとぞ、若い彼を応援してあげてやってください。
よろしくお願いいたします。























夏稜線の午後

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-07-21 Thu 16:46:57
  • 穂高

160720 夏稜線の午後
(2016/07/20 涸沢岳稜線にて)



今年はイマイチ太平洋高気圧に根性がないみたいで、まだ夏本来の気圧配置とはなっていませんね。

写真のような天気が続いてくれるとよいのですが。
















梅雨明け

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-07-19 Tue 05:42:32
  • 穂高
昨日、九州から東海地方にかけての梅雨明けしました。
その発表をうけて「やったね!」との記事をいったんは記したのですが…


160711 梅雨明け近し
(2015/07/11 屏風より)



その梅雨明けのとたんに穂高でおふたりがお亡くなりになってしまいました。

報道では「北アルプスで遭難相次ぐ」などの見出しが載っていましたが、それは「北アルプス」というより「穂高」でです。

日本の登山者人口がおよそ1000万人、そして年間に山で亡くなる方は約300名。
その確率は0.003%、つまり10万人のうちの3名が命を落としています。
で、穂高の年間登山者数はおそらく10万人ほどで年間死亡者が約20名。
確率0.02%、1万人で2名が亡くなる勘定です。
(間違っていたらすみません。あくまでぼくのいい加減なリサーチでです)

確率10万分ノ3と1万分ノ2という数字の違いが、どれほどの危険の差を表しているのかはわかりません。
(まあ穂高が全国平均より10倍ほどは危険だとはいえそうですが)
でもそんな数字にほとんど意味などない気もします。


例えばこんなことがありました。
春の連休ごろに、新雪が積もったホワイトアウトのあずき沢を下ろうとした若者に「こりゃあちょっとヤバいから止めとけよ」と言うと、「どんくらいの確率でナダれっすかねー」と尋ねられたのです。
で、ちょっと絶句しつつも「……そら50分ノ1なんか100分ノ1なんか、あるいは1000分ノ1なのかはわからん。でも、イッパツ出れば死んでまうで。 ヤられてしまえばそんなもん『1分ノ1』やんけ」と答えました。
そして彼はしばらくの逡巡の後、小屋で様子を見るということにしてくれました。
もしもあの時に、そうしたリスクを彼自身が自ら認識し、覚悟と気合を持ってそこへ踏み込むというのなら(周囲へメイワクをかけるとかの話は別にして)ぼくはそれはそれでアリだったとは思います。
山登りを真剣にやっていれば、そうした状況の危険度を承知で進まねばならない場面にはどうしたって遭遇してしまいます。
程度の差はあれ、もともと登山とはそうしたリスクを内包しているものであって、もしも危険を全く犯したくないのであれば、そもそも山になんて登るべきではないのです。


穂高での「1万分ノ2」というリスクをどう捉えてどう考えるべきなのか。
その数字だけでいうと、それはぼくを含めて「まさか自分が」というレベルです。
そんなもん自分がそんな貧乏くじを引くわけがない、と人間誰しもが思います。
でもそれは事故に遭った人も同じであったはず。
「まさか自分が」と。
そしてその方にとっては、その出来事は「1分ノ1」です。


昨年に相次いで大切な友人が山で逝ってしまって、ほんとうに多くのことを思ったし考えました。
それはずっとかたちを変えながら続いていて、例えば今ぼくがいちばん山で信用できないのは自分自身ということ。
彼や彼女でさえミスをしてしまったというのに、いわんや自分においておや、なのです。
今日、踏み出そうとするその一歩がほんとうに大丈夫かどうか、それを常に自分に問い続けなければいけないと思っています。
それはとても難しいことではありますけれど。




このたびお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。



















雨の日と水曜日は

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-07-13 Wed 17:25:13
  • 穂高
昨日とはうって変わって今日は雨。


160713 雨のシナキン_1
(2016/07/13 雨のシナノキンバイ)


昨今の天気予報の精度はかなりなもので、むこう3日間くらいならほぼ予報通りの天気となります。
で、今日は水曜日ですから今週末の天気はある程度予想できるわけで、さて「海の日」の連休はというと…

14日(木) 曇り時々晴れ
15日(金) 曇り時々晴れ
16日(土) 曇り
17日(日) 曇り時々雨
18日(月) 曇り
(7月13日17時発表 岐阜県飛騨地方の天気予報)

と、連休はあまり芳しくありません。

この時期には梅雨前線のちょっとした動きで天気が大きく変わりもしますので微妙なところもあるにはありますが、
どうやら梅雨明けはまだ先となりそうです。

連休に穂高登山を計画されている方も多かろうとは思いますが、雨の日の、特に吊尾根などの稜線歩きは避けたほうがよいです。
穂高稜線の登山道はほぼすべてが西側=風上側にあります。
つまり稜線では常に風に晒されます。
ちなみに今日正午の気温は11℃。
例えば稜線で風速10mの風が吹けば体感温度はおよそ摂氏0℃です。

麓では熱中症を心配せねばならないくらいなのに穂高稜線では低体温症の危険すらあります。
実際に真夏でも悪天時の吊尾根などでは低体温症による遭難事故は起こっています。
救助要請にまでは至らなくても、雨風の中を這々の体で小屋へとたどり着きガタガタと震えながらストーブにかじりつく方もおられます。

世の中の都合である休祝日に合わせて山の機嫌が良くなってくれるわけでもありません。
そして穂高は、そうした状況の悪いときの無理強いに相当シビアな山です。

この連休に穂高を楽しみにされている方々へはちょっと残念な予報ではありますけれど、もう少しガマンといったところでしょうか。




ちなみに今日のタイトルの「雨の日と水曜日は」はもちろん「Rainy Days and Mondays」のもじりです。
ぼくはヒットしたカーペンターズのよりもオリジナルのポール・ウィリアムズのほうが好きです。







































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