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2016年05月 Archive

雨あがりの稜線

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-05-28 Sat 05:34:27
  • 穂高
夜半の雨も朝には上がり、昼前ごろから急に切れはじめたガスのむこうには、見る見るうちに青空が広がりました。

午後になっても小屋周辺に人影はなく、ならばと向かった涸沢岳稜線からは見事な雲海がのぞめました。



160527 雲海
(2016/05/27  涸沢岳稜線より笠ヶ岳と雲海)





涸沢岳西尾根の分岐から、見慣れたはずの北穂と槍への稜線を眼にしたとたん、ある記憶がよみがえりました。

ちょうど去年の今頃、この場所から、あの稜線をただひとりたどる谷口けいちゃんを撮ったっけかと……



風もなく日差しがあたたかな稜線は、いろいろ想うには都合よく、日没までの数時間を苦もなく過ごせました。


160527 槍への稜線
(2016/05/27 涸沢岳西尾根より槍と北穂)




やがて西の地平に沈みゆこうとする夕陽は、滝谷の岩肌を黄金色に染めました。


































新緑

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-05-14 Sat 05:06:36
  • 穂高
昨日、約ひと月ぶりに山から下山しました。


160513 白出沢
(2016/05/13  白出沢にて)


たどった白出沢(しらだしさわ)は、雪渓の上に多量の土砂がでていました。
おそらくこれも極端な寡雪のためと思われます。
今年は稜線付近でさえ土砂の流出が見られ、全体に山が荒れた感じがします。

そうして考えると、冬の間の大量の降雪は山肌を保護し、山全体を守る役割もはたしているのだと改めて気づかされました。


白出沢の登山道に関していいますと、通過できないほどではないものの数カ所で崩落が見られます。
また例年であればまだまだ雪渓上をいく渡渉地点なども、もうすでにスノーブリッジやクレバスが微妙な感じになっています。
飛騨側から登り下りされる方は十分お気をつけください。
特に降雨時は落石の危険度も増すのでなおさらです。



さて、そうして降り立った山麓の森は、新緑に輝いていました。



160513 ジャンと新緑
(2016/05/13  ジャンダルムと新緑)



山での雪だらけの暮らしからこの新緑に接すると、いつも感嘆の声をあげてしまいます。
紅葉とはまた違った、生命力に溢れたその美しさに感動です。











































晴れ!

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-05-12 Thu 15:35:23
  • 穂高
昨日、一昨日は強風と雨で終日荒れていました。

その強風が大気中の塵をきれいに吹き飛ばしてくれたのでしょうか、今日はどこまでもクリアな気持ちのよい晴天!

160512 涸沢岳より
(2016/05/12 涸沢岳より)


雪解けも進んで、小屋から涸沢岳へはもうアイゼン不要でした。
季節がまたひとつうつろった感じです。
しかし、こうして見ると今年はやはり雪が少ない。
例年よりもひと月は雪解けが早い感じです。
(奥穂稜線はご覧の通り、まだ雪壁が残っていますのでまだまだアイゼン必携です)



ほんとうに空気が澄んで山麓の市街地もクッキリでしたし、なにしろ富士山がでかかったです。

160512 富士山
(2016/05/12  左から富士山、甲斐駒ケ岳、前穂高岳、北岳です)


































やさしげな夕陽

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-05-07 Sat 19:39:49
  • 穂高
前半はいろいろと遭難も多かった連休ですが、後半は静かに日々が過ぎていってくれています。

その大型連休も明日でおしまい。


今日は春らしい、やさしげな夕陽が沈んでいきました。


160507 夕陽
(2016/05/07 6:55 p.m. 笠ヶ岳稜線に沈む夕陽ー穂高岳山荘より)




































グッジョブ

  • Posted by: Hachiro
  • 2016-05-05 Thu 04:30:52
  • 穂高
前回の記事は、ある程度の反響は(良くも悪くも)あるだろうなとは思って書きましたが、いやはやちょっと驚くほど多くの方がご覧くださったようです。

コメントにはひとつひとつ真摯に目を通させていただきました。
なるほど世の中には様々な考え方や感じ方があるものであると、改めて思った次第です。
僭越ながら、そうしたご意見の場をつくれたことはよかったであろうとも。


で、それはそれとして(と、あっさりスルーしてしまうにはエラい数ではありますが「遭難はネット上で起きているのじゃあない、現場で起こっているんだ」ということでご勘弁を)、まだまだ連休は続いていますので「ぼちいこ」の主旨たる現地情報を以下記させていただきます。


まずは昨日の午前中の動画です
(※3分あります、音声はありません)

160504 穂高岳山荘にて(3分) from Hachi Production on Vimeo.




昨日の明け方までは雨でしたが、午前8時頃に急速に雲が切れ始たので慌ててカメラをセットして、正午前まで撮影したものを時間を短縮した動画です。

この動画から読み取っていただきたい事は、

1、下界と山との天気の違い
昨日の下界の天気予報では「晴れ」となっていましたが、実際の山はこのように目まぐるしく状況が変わっていました。

2、今連休の状況変化の激しさ
ちょっと前の動画や写真と比べて、かなり雪がなくなったことがおわかりになるかと思います。
実際、前日の雨で驚くほど雪は解け、水分を含んだ雪は朝方にはカチカチ、昼ごろにはグサグサと、これまた天気と同じくとても変化が激しいものでした。

そして気温変化もかなりなもので、なんとこの日は夜半近くから雪となりました。
つまり一日の中で、雨→霧→晴れ→曇り(霧)→高曇り(視界あり)→曇り(霧)→雪と、ほぼ全部の気象状況が現れたことになります。
で驚く事に今現在(5月5日午前4時)は 天候;風雪 気温;−5℃ で、小屋前で20㎝ほどの積雪になっています。
昨日は雨が雪を解かし、今朝は雪が積もっているのです。
雪崩への警戒もまた必要になってきました。


で、何を言いたいかといいますと、天候、雪質、視界、風向風速、気温 といった山の状況が、
「今時期には目まぐるしく変化する」 ということです。

この時期の山は、まだ冬と春がせめぎ合った状態です。
そして今年の連休は特にその傾向が強いと言えます。
なので、よほど慎重に山の状況を見定める必要がある、ということです。

「この程度であろう」という人間の想定を、自然はあっさりと上まわります。



さて、それと上の動画でもうひとつ、

画面中ほどで赤と黄色のヤッケを着た者がウロウロしているのにお気づきになられたでしょうか。
それは「岐阜県警山岳警備隊・穂高常駐」の隊員の姿です。

そしてよく見ると彼等がしきりに登山者に話しかけ(時にはカメラのシャッターを押してあげ)、ルート状況の説明やアドバイスを行っていることが見てとれるかと思います。
彼等は連休中、ほぼ一日中こうして登山者に動きがある限り外に立ち続けてくれているのです。



またこれは一昨日に、その常駐隊員と奥穂稜線へパトロールに出かけたときのひとコマ。

160503_雪庇_3
(2016/05/03 奥穂高岳稜線にて)


稜線上のトレースがなんと雪庇の上に堂々とついていて「これはヤバいやろ」と。
それで通りがかった登山者には雪庇に乗らぬよう伝え、ルートを切り替えることとしました。
で、僕が「や、マーキング用のスプレー忘れたから、いったん小屋もどるか?」というと、
穂高常駐のスヤマ小隊長がとっさの気転で「こんなん、どうっすか?」と付近の小石でマーキングを行ってくれたのです。
「おおっ ええやん! スバラシイ!」と感心しきり。



現場の我々には大それた規制や制度の制定や改革を行う力はありません。
でもささやかであっても出来ることはあります。



穂高常駐、、、グッジョブ!


























































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