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2014年11月03日 Archive

営業最終日

  • Posted by: Hachiro
  • 2014-11-03 Mon 15:53:41
  • 穂高
穂高岳山荘は明日で2014年度の営業を終えます。

宿泊最終日となった今日は終日風雪の一日となって小屋前ではもう20㎝ほどの積雪となったでしょうか。
おそらくこれが根雪となり穂高はこれから長い冬を迎えます。


山荘_20141103_11
(2014/11/03  3:30pm)





今年、穂高小屋を訪れてくださった方々、
足を運ぶことは叶わなかったけれど穂高を想ってくださった方々、
そして、このブログを読んでくださった方々へ、こころより御礼申しあげます。

ありがとうございました。



思い返せば今年もさまざまな出来事がありました。

その中で強く脳裏に留まるものは、残念なことに人の死に関わることが多いです。
春の立て続けの遺体収容、夏の長雨増水による滝谷出合の遭難、そして秋の御岳の噴火…

どの方も「好きな山で亡くなったのだから本望」だなんてことは少しもなく、皆が皆、思いもしない突然の無念の中でその生を終えられたのだと思います。



山野井泰史さんのエッセイに「山で死んでも許される登山家」という一文があるのですが、同じ本(『垂直の記憶』)に載せられている「クヌギの木と柿の木」と共にとても好きな文章です。
そこには「不死身だったら登らない。どうがんばっても自然には勝てないから登るのだ」とあります。
純粋に、真摯に、激しく、全力で困難な山に挑戦し続けた山野井さんだからこその、山で死ぬことへの究極の覚悟としての言葉にとても感じ入ります。

山へ登る者だれもが、彼ほどの「覚悟」を持ち合わせることはないかもしれませんが、少なくとも私はそこにどんな危険や困難が存在しようと、山へ登ろうとする人を否定したりはできません。

山には、その人の生をかけても登るだけの意味や価値が確かにある。
人は何も死ぬために登るのではなく、その生を目一杯に輝かせるためにこそ登るのだと思うのです。


だからこそ、山での死を悼みます。


今年も少なくない数の人が穂高で命を落とされました。

想いをめぐらせれば、私のかけがえのない友人や先輩もこの山に眠っています。



「生きるために登る」

ー そんなことをいまさらに考えてしまうシーズン終わりです。





























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