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2010年06月 Archive
ヘリ荷揚げ
- 2010-06-30 Wed 10:42:19
- 穂高


ようやく訪れた「梅雨の晴れ間」、夏山物資の荷揚げを行いました。
ここのところの雨で雪融けも進んで奥穂の雪壁もごらんのとおり。
山荘~奥穂山頂はもうアイゼン不要です。(涸沢からはまだまだ雪があります)
う~ん、夏が近いなぁ。
(こんなに良い天気なのに、日本代表の敗戦と寝不足で今日は元気ナシ・・・)
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夏至
- 2010-06-21 Mon 22:51:20
- 穂高
今日は「夏至」
「夏至」というと「一年で最も昼間の時間が長い日」であるわけですが、
残念ながら今日は終日雲の中でして朝陽も夕陽も見られない真っ白けの一日でした。
さて、次の5枚の写真は穂高岳山荘から眺めた夕陽の定点撮影のものですが、
ご覧になって何かお気づきになることはありませんか?

(2010年4月21日撮影)

(2010年5月2日撮影)

(2010年5月15日撮影)

(2010年5月20日撮影)

(2010年6月16日撮影)
そう! 沈む太陽の位置が画面右へ移動しています。
夕陽ということは、これは西の方角を見ています。
それで1枚目の4月21日撮影の写真は、太陽が笠ヶ岳のほぼ真上に沈んでいます。
それが5枚目の6月16日(ほぼ夏至です)撮影のものは、沈む位置が画面右の涸沢岳の稜線ぎりぎり。
つまりこの2ヶ月ほどで太陽の沈む位置がどんどん北へ移動しているのです。
これは地球の地軸が太陽との公転面に対して23.4°傾いていることによる…
などと小難しい理屈はともかく、
この「地軸の傾き」が地球に季節をもたらしていて、
それを目で見ることの出来るひとつの現象がこの夕陽の沈む位置の推移というわけです。
で、そんな光景を動画にすると…
でも実はこの動画はまだまだ未完成。
というのはこの「夏至」が折り返し点なわけで、
これから夏~秋にかけて太陽は画面右から左へと移動していきます。
だいたい8月下旬頃もう一度笠ヶ岳の真上に沈み、
画面左奥の加賀の白山へ夕陽が沈む頃、小屋閉めで下山。
そして12月の「冬至」頃にはほぼ画面左端近くまで移動します。
それらを定点撮影して動画として完成させるのが目標なのです。
この撮影はこれまで10数年チャレンジしています。
でも、たいてい夏の忙しさで撮れなかったり、結果的に画角が合わなかったり…
今年こそは! と意気込んではおりますけれども。。。
それにしても、こうして穂高の稜線からいったい幾度くらい沈む夕陽を眺めたことか。
ふと長渕剛の唄のフレーズが浮かんできたりもします。
あれから どれくらいたったのだろう
沈む夕陽を いくつ数えたろう
故郷の友は いまでも君の
心の中にいますか
・・・う~ん、想ってしまうなぁ・・・
「夏至」というと「一年で最も昼間の時間が長い日」であるわけですが、
残念ながら今日は終日雲の中でして朝陽も夕陽も見られない真っ白けの一日でした。
さて、次の5枚の写真は穂高岳山荘から眺めた夕陽の定点撮影のものですが、
ご覧になって何かお気づきになることはありませんか?

(2010年4月21日撮影)

(2010年5月2日撮影)

(2010年5月15日撮影)

(2010年5月20日撮影)

(2010年6月16日撮影)
そう! 沈む太陽の位置が画面右へ移動しています。
夕陽ということは、これは西の方角を見ています。
それで1枚目の4月21日撮影の写真は、太陽が笠ヶ岳のほぼ真上に沈んでいます。
それが5枚目の6月16日(ほぼ夏至です)撮影のものは、沈む位置が画面右の涸沢岳の稜線ぎりぎり。
つまりこの2ヶ月ほどで太陽の沈む位置がどんどん北へ移動しているのです。
これは地球の地軸が太陽との公転面に対して23.4°傾いていることによる…
などと小難しい理屈はともかく、
この「地軸の傾き」が地球に季節をもたらしていて、
それを目で見ることの出来るひとつの現象がこの夕陽の沈む位置の推移というわけです。
で、そんな光景を動画にすると…
でも実はこの動画はまだまだ未完成。
というのはこの「夏至」が折り返し点なわけで、
これから夏~秋にかけて太陽は画面右から左へと移動していきます。
だいたい8月下旬頃もう一度笠ヶ岳の真上に沈み、
画面左奥の加賀の白山へ夕陽が沈む頃、小屋閉めで下山。
そして12月の「冬至」頃にはほぼ画面左端近くまで移動します。
それらを定点撮影して動画として完成させるのが目標なのです。
この撮影はこれまで10数年チャレンジしています。
でも、たいてい夏の忙しさで撮れなかったり、結果的に画角が合わなかったり…
今年こそは! と意気込んではおりますけれども。。。
それにしても、こうして穂高の稜線からいったい幾度くらい沈む夕陽を眺めたことか。
ふと長渕剛の唄のフレーズが浮かんできたりもします。
あれから どれくらいたったのだろう
沈む夕陽を いくつ数えたろう
故郷の友は いまでも君の
心の中にいますか
・・・う~ん、想ってしまうなぁ・・・
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光と雲の夕景
- 2010-06-16 Wed 21:26:05
- 穂高
今日午後、急に雲が切れ始めました。
梅雨時はこれだから油断できない。
突然に舞台の緞帳が上がるがごとく見る見るうちに雲の向こうに青空が広がり始めました。
急いで涸沢岳へ駆け上がると、紅く染まった滝谷が迎えてくれました。
谷 (串田孫一『雲と大地の歌』より)
三十分、いやそんなには立たないうちに、風は雲を連れて谷から去って行った。
青い空がひろがり出して、一方の尾根の末端の、いつみてもすばらしい岩壁が、こんなだったかと思うほど大きく現れた。
そうらみろ、あわてて谷を下り続けてしまわないでやっぱりよかったと自分に言う。
梅雨時はこれだから油断できない。
突然に舞台の緞帳が上がるがごとく見る見るうちに雲の向こうに青空が広がり始めました。
急いで涸沢岳へ駆け上がると、紅く染まった滝谷が迎えてくれました。
谷 (串田孫一『雲と大地の歌』より)
三十分、いやそんなには立たないうちに、風は雲を連れて谷から去って行った。
青い空がひろがり出して、一方の尾根の末端の、いつみてもすばらしい岩壁が、こんなだったかと思うほど大きく現れた。
そうらみろ、あわてて谷を下り続けてしまわないでやっぱりよかったと自分に言う。
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梅雨入り前
- 2010-06-13 Sun 17:29:51
- 穂高

(2010/06/13 梅雨入り直前の青空)
今年は梅雨入りが遅れていますね。
山荘前も例年よりずいぶん残雪が多いです。(穂高全域そうですが)
この雪を融かすのは梅雨の雨風で、晴れ続きだとあまり雪は減りません。
うっとしい梅雨ですが、高山植物やライチョウの生育には欠かせないものですし、
何よりこの雪では、夏山登山に支障がでます。
7月の「海の日」までには各登山道を整備していきますが、今年はかなりの残雪が予想されます。
お出かけの際には事前にルート状況をご確認下さい。
ところで今日、悲しいことに死亡事故のレスキューを行いました。(正確には、発生は一昨日で今日発見)

一昨日に涸沢小屋から奥穂へピストンされる予定の68才の男性が、昨日になっても戻らないとのことで、今朝から長野県警のヘリが捜索しておりました。
お昼頃、ザイテンで通りがかりの登山者が行方不明者のものと思われるピッケルを発見。
長野県警警備隊2名、涸沢小屋より2名、穂高岳山荘より2名の計6名でザイテングラード周辺のシュルンドを捜索、ザイテン取り付き下部のシュルンドの中に御遺体を発見し、収容活動したものです。
おそらく下山中にザイテン上部の急な雪稜から滑落したものと思われます。
決して亡くなられた方にムチ打つつもりはありませんが、
とても残念だったのは、その方が装着されていたアイゼンが6本爪であったこと。(片側のアイゼンは滑落中に外れてしまったようでした)
涸沢までならいざ知らず、穂高では4本爪や6本爪のアイゼンはほとんど役に立ちません。
急峻な雪を登り降りするのにいちばん必要な、つま先とかかとに爪のないアイゼンでは無意味なのです。
ですので穂高の雪を歩くのなら、10本や12本爪のしっかりとしたアイゼンをお持ち下さい。
そしてアイゼンを使うならピッケルも必要です。
慣れた方であればストックで済ませられることもありますが、ピッケルがあるに越したことはありません。
例えば、岳沢から吊尾根経由で奥穂へ登る場合、紀美子平の奥穂側に急峻な雪渓のトラバースがたいてい7月中下旬まで残ります。たとえそれがたいした距離でなくとも、その雪渓に道が切ってない場合はアイゼンなしでの通過はとても困難です。
たどるコースの9割9分がアイゼンなしで済ませられても、たった1カ所のトラブルが穂高では致命的なものになりかねません。
あまり認識されないことかも知れませんが、これから夏へ向けて雪の状態はだんだん締まって硬くなっていきます。
ある程度の斜度まではスプーンカットを利用して歩くことも可能ではありますが、夏の雪渓は容易にステップが切れるものではありません。
穂高ではどのルートを歩くにせよ、少なくとも7月の海の日まではアイゼンは必携だと思います。
僕は遺体収容に携わるたび、ある種の想いを抱きます。
誰ひとり、この山へ命を捨てに来る方はいないはず。
そしてほとんどの遭難が、ほんの少しの注意で防げたはずのものばかりです。
北穂小屋の設立者である小山義治氏の、
「ほとんどすべての遭難は人間の側に原因がある」との言葉は、
僕がことある度に思う自分への戒めです。
人と山とが関わる以上、
そして山の方が人間より遙かに大きく偉大な存在である以上、
遭難事故がなくなることはないでしょう。
それでも、
僕はこの愛する穂高で人が命を落とすことはやりきれない。
この度亡くなられた方へ、心よりご冥福をお祈りいたします。
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西穂~奥穂縦走
- 2010-06-09 Wed 08:41:39
- 穂高

(天狗ノ頭より間ノ岳を望む)
6月4日、5日と山溪JOYのWeb映像撮影のため西穂へ行きました。
ならばその仕事が終わったら、稜線伝いに「お家(=穂高小屋)」へ帰ろうかな と。
ただしこの時期だと、途中何カ所かはロープが必要かもしれんし、撮影機材も持ちたい。
5日の仕事が何時に終わるかにもよるけれど、出発はたぶん午後となる。
だから途中ビバークを覚悟せねばならんしなぁ…
と、あれこれ考えまして、これはひとりではチトしんどいとのことで、
相棒に涸沢小屋のクライマー「おのっち(小野田くん)」を誘っての縦走となりました。

(西穂・丸山付近にて)
5日 午後3時、「西穂独標」にてJOYの撮影が終了。
このルートをやるにしてはちょっとあり得ないかもしれない15:30に独標出発となりました。
西穂山頂16:20と快調に飛ばすも、ここからは岩と雪のミックスとなり少々苦戦。



悪場の間ノ岳を越えて、天狗ノ頭で夕景を迎えました。

今まで、このルートを歩くのは鎖の掛け替えやマーキングなどの“仕事”としてがほとんどで、小屋からは結構な距離があるのでいつも時間を気にしながらの行動でした。
加えて「地図に載るルートとしては最難のひとつ」とのプレッシャーや、実際に気の抜けない悪場の連続で、あまり周りの風景をゆっくりと楽しむ余裕はこれまでなかったように思います。

(天狗ノ頭にて)
それが今回は念願叶って(?)ルートの真っ直中での夜です。
星の撮影をしたり上高地の夜景を眺めたり、そんなゆっくりとした山の夜を過ごしていると、
なにか「穂高」をとても身近に感じます。

で、翌朝は快晴!

(天狗のコルにて)

(コブ尾根ノ頭よりジャンダルムと奥穂山頂を望む)

(ジャンダルムよりの下降)
いよいよ今ルートの核心とも言える「ロバの耳」へ向かいます。


(ロバの耳よりジャンダルム)

“ロバミミ”は懸垂&クライムダウン。
少し氷っぽいところもあったけど、全体的には雪がほどよく緩んで快適。
(何より天気がサイコー!)

(ロバノ耳のコルにて)
そして“馬の背”からつづくナイフリッジの雪稜をたどれば奥穂山頂です。

ところどころで結構 “ショッパイ(=悪い)”ところもあったけれど、
穂高の岩と雪をぞんぶんに満喫できた、とても気持ちのよい山歩きでした。
(おのっち、君のサポートはサイコーでした。ありがとな。)
いやぁ~ それにしても、
やっぱ、穂高ってエエなぁ!!!

(夕暮れの天狗ノ頭にて撮影中…)
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