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事故多発

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-09-14 Thu 11:50:31
  • 穂高
今月に入って穂高での遭難死亡事故が続いています。


こちらの耳に入っているものとして、

9月3日、ザイテングラードで滑落
9月7日、大キレットA沢のコルで滑落
9月9日、4日朝から行方不明だった方が慶応尾根付近の沢で発見
9月11日、北穂滝谷でクライミング中に転落
9月14日、涸沢槍付近で大学生が滑落

と、まだ9月は半ばだというのに今月だけでもう5名もの方が亡くなっています。

その内の3件については多少なりとも私自身も関わりを持つものです。
というのも、ザイテンや涸沢槍は夏のシーズン前に登山道補修を行なったルートでしたし、
滝谷ではその救助活動中に遭難者が心肺停止となるというものでした。

とはいえ、ザイテンや涸沢槍の発生現場は危険箇所として私たちが手を入れた「いかにも」というようなポイントではなく、
それは一見するとなんでもない(それでも一歩誤ればとり返しのつかない)ような所です。
また滝谷での一件も、あの絶望的な状況では如何ともし難いものでした。

登山道補修にせよ、遭難救助にせよ、もちろんそれを行なったからといって死亡事故をなくすことは出来ません。
そんなことは重々承知の上で、私たち小屋番はそうした仕事に毎年力を注いできています。

でも、こうした事故が続くとなんというか躰から力が抜ける気がしてしまうのです。
滝谷で亡くなったのは22歳の前途ある若者でしたし、涸沢槍はまだ10代の大学生でした。
なんだかほんとうに無念ですし、やりきれない。

ここ数年9月に遭難事故が多いのは、そもそもの登山者数の増加が背景にあるとは思います。
もう毎年のように梅雨明けが遅くなり、8月も不安定な天候となる傾向の中、安定した好天を求めて9月に登山者が多く訪れるようになったのでしょう。
そうした分母が大きくなれば、遭難件数も増えるということは頭では理解できます。

でも遭難死亡事故というのは、当然その一人ひとりにご家族や肉親があるわけで、そのそれぞれに言いようのない悲嘆が存在するはずです。
それは数の多い少ないで語られる類のことでもないでしょう。


この穂高での悲劇を少しでも減らすためには、
その一歩を踏み出す、その方ご自身の確たる自覚以外にありません。

穂高に足を踏み入れるということは「その一歩を誤った場合には命を喪うことをも同意する」という契約書にサインするということです。
そしてその約束には、年齢や性別、地位や職業や肩書きなど、人間側の理屈や都合は一切関係ありません。
山はどんな人にもいっさい分けへだてなく、時に牙を剥き、そして微笑みます。


どうかお気をつけて。




亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。




170913 ジャン流雲_gh_097
(2017/09/13 雲流れるジャンダルム)


























Comments: 8

URL 2017-09-17 Sun 14:50:33

いつも拝見させていただいております。
どうかお力を落とされることがないよう…皆様方の努力により救われている命が多々あることは、紛れもない事実なのですから。
私も一登山者として、常日頃感謝しております。

北アの好きな人 URL 2017-09-16 Sat 00:37:07

時々ヤフコメなんかで、「なんで山なんか行くかね・・・」のような書き込みを見ますが、分かんない人にはやっぱりわかんないですよね。山に行く人は「山が好き」という単純な話で、とってもしんどい思いをしながらも、帰ってくるとまた行きたくなるんですよね。山自体もそうですし、山小屋も好きで。もちろん穂高山荘もです。
だから次に山行くために、絶対に落っこちてはダメで、怖がりの慎重でいいと思います。
前に西穂で連れが、つかんだ岩がポロっとなって少しだけ落ちて、幸い大した斜度なかったからゴロンと1~2回転したぐらいで済んで幸いケガしなかったけど、見てるこっちが心臓止まりそうになったことがありました。
そんなほんのちょっとした瞬間があるし、山は本来削れていくものだし、抜けないと思ってても岩が抜けるかもしれないし。
そんな風に思いながら山に行きます。
登山道整備や山小屋運営、大変と思いますがそんな登山者のために、これからもよろしくお願いします。

Kouya URL 2017-09-15 Fri 22:33:28

むしろ手を入れてくださったことで、救えている命が現状多いと考えるのがいいかと思います。

死を見すぎると心が沈みすぎてしまいますが、皆さんが感謝していることもお忘れなくですね。

URL 2017-09-15 Fri 21:34:47

いつも拝見しております。
山に入ることとはどんなことか、同感です。
自分は、山は誰にでも、厳しくもあり、優しくもある、と考えます。

URL 2017-09-15 Fri 20:12:05

前回と今回の写真には穂高岳の荒々しい面がよく感じられます。若い頃は落石や雪崩事故に対する危険性の判断力より自分自身の体力や技術面を過信して大分危険性の高い山行をしましたが、何度か怪我を経験するうちに大分慎重になり、山に対して謙虚になった気がします。
それに応じてより穂高岳の美しさを感じられる様になった気がします。
いきなり危険な山行より順序づけて難易度の高い山を目指すのが、より良く山を味わえる事が出来るように思われます。

かぶらぎあきら URL 2017-09-15 Fri 18:53:01

その通りです

tako URL 2017-09-15 Fri 13:44:45

まもなく山歩き始めて10年 穂高に足を踏み入れる勇気がまだありません。

aki URL 2017-09-15 Fri 07:49:18

いつも、登山者の安全のためにご尽力いただきありがとうございます。

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