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開幕前夜

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-04-12 Wed 16:36:35
  • 穂高
いよいよ明日は涸沢の小屋開けとなりました。
もちろん私の主戦場は稜線なのですが、ヒュッテのご好意でここのところ私も参加させていただいています。

今年はかなり雪が多いのではないかと予想します。
それに加えてここのところの低温と多雨で、山はかなり厳しい状況ではないかと。

これまでのどの年もそうでしたが、この入山直前というのは何かと下界に心残りを抱きます。
でも、それも流石に「下界最後の日」ともなるとそんな思いも振り切って「よしっ、今年も気合い入れるか!」との心持ちになろうというもの。


…しかし、私は今年はちょっとそう思いきれないところがあります。

それは我が家の老犬「じゃん」が、いよいよになってきてしまっているから。


P1090224.jpg



じゃんは17才6ヶ月、
人間でいえばもう90を越す超高齢です。

去年あたりからすっかり衰え始め、幾たびか訪れた危機も、つれ合いの献身的な世話でなんとか乗り切りました。
この冬はもっぱら薪ストーブの番をしてて、
シッコやウンチも、もうなかなか散歩では出来なくなって、
それでもスヤスヤ眠る平和な寝顔にはなんとも癒されていました。

犬はきっと、自分の命がいつか終えることなんか知ってはいません。
だから、その日その日の与えられし一日を全力で生きています(…てか、ほとんど寝てるけど)。

子ども達が幼い頃は一緒に駆け回り、
お母さんにはいつも「なんかちょーだい」とつぶらな瞳を向け、
私がどんなに遅く帰ってもシッポがちぎれんばかりに「おかえり!おかえり!」して迎えてくれました。
(うう、あかん、、こんなこと書いてるだけで泣けてくる…)

今、年老いて、その命がもう尽きようともするようになってさえ、
じゃんは日々とても多くのことを私に与えてくれています。


まだ雪深い山へと向かい、そこで体を張って仕事をしようとするからには、何かしらの覚悟や決意が必要です。
我々はそうした各々の守るべきものを背負い、あるいはそれに背中を押してもらって穂高で過ごします。
例えば遭難現場へ向かう時、私はこれまで家族のことを思い浮かべたりしたことはありませんけれど、
それでもそうして自分を支えてくれた何ごとかがなければ、到底これまでやってこれはしなかったと思います。


きっと今日という日は、覚悟や決意とともに、深い感謝を抱くべき日であるのでしょう。

明日の朝、家を出るとき、じゃんに何て声をかけようかと今考えながら。
































Comments: 4

TAKA URL 2017-04-21 Fri 01:49:04

今年もGW明けになりますが、小屋にお世話になる予定でいます。 m(_ _)m

我が家にも「宗次郎」というパグがいます。
5月で8歳になりますが、まだまだやんちゃでじっとしていることが殆どありません。
「お前なぁいい加減落ち着けよ」と、時々あきれかえることもありますが、ハチローさんのこの文章を読んでハッとしました。
いつかは宗次郎がもっと年老いて、散歩もゆっくりとしか歩けなくなる時が来る。
やんちゃをしたくてもできなくなる時が来る。
そう、いつかは必ずそういう時が来る・・・と。
だから元気であれば、宗次郎は宗次郎らしくやんちゃのままでいいんだと・・・。

今、夜中の1時47分ですが、宗次郎のゲージに行き、そっと体をなでてあげようと思います。

はたらき虫 URL 2017-04-16 Sun 12:35:27

じゃん頑張って!!でも90歳を過ぎて良く生きながらえてきたことか
生あるものは必ず死は訪れます
苦しまず往生が来るまで可愛く生きてください「じゃん!」

シュウ URL 2017-04-13 Thu 21:43:57

偶然拝読。
お察しします。
じゃんに冬まで元気に過ごす力のあらんことを願っています。

URL 2017-04-12 Wed 19:20:24

いつも素晴らしい写真と言葉をありがとうございます。

我家の老犬も旅立つその瞬間まで多くのことを教えてくれました。
お気持ちお察し申し上げます。

今期も小屋締めまで無事乗り切られますように!





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