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救助要請

  • Posted by: Hachiro
  • 2017-03-20 Mon 18:54:13
  • 穂高
昨日、今日と報じられた西穂ピラミッドピークでの滑落は、ご本人達が自力下山していたとのこと。
先ずはめでたしめでたし、ともかくも無事で何より  ……ではあったのですが、
捜索に赴いた県警隊員や航空隊の方々にとっては、どこかやりきれない徒労感が残ったのではないでしょうか。



160211 西穂独標より
(西穂独標より、左からピラミッドピーク、西穂本峰、右奥にジャンダルムと奥穂高岳)




私たち小屋番にとってもこうした事例は他人事でもありません。

「奥穂の向こうで息も絶え絶えの人がいたっ! 助けてやってくれ!」
あるいは「もの凄い落石の音がして、人の大声が聞こえた! 誰か墜ちたみたいだっ!」
と、小屋に駆け込んで来られる方がちょくちょくおられます。
そうした場合「本人から救助要請はありましたか?」とか「墜ちた人は見えますか?」と尋ねると、
「いや、本人は疲れて口もきけないようだ」とか「直接には目撃していない」というようなことがけっこうあります。
そうなるとそれが遭難であるかどうかの確認がとれず、具体的な救助要請も存在しないということになります。
そうした場合にはいつも頭を悩ませます。

その時の天候や時刻、また他の目撃情報の有無などから、その時々で対処は様々ではありますが、
基本的には私たち小屋番は「遭対協」の救助隊員という立場であり、警察や当事者からの要請が無ければ救助活動は行えません。
しかし現実の遭難の際には何より急を要します。
なのでそうした手続きや段取りは後回しにして、ともかく現場へ!と走らざるを得ないこともあるのです。

そうして息急き切って駆けつけてみると、
そのご本人と思しき方は「イエ、私は救助など頼んだ覚えはない」
「ゆっくりにしか歩けないけれど、これが私のペース」
「落石があったから、後続に大声で注意しただけ」
なんてことも。


もちろん、その方達に非はありません。
そして報らせてくださった方も善意からの行いです。

だから誰が悪いというわけではないのだけれど、
誰に非があるというのでもないのだけれど、
でもその時流した汗やゼイゼイと痛む喉は、ただただ不快なものでしかなくなってしまうこともあるのです。

まぁどんな仕事だって、そうした悲嘆を抱えながらのものなのでしょうけれど。



ともかく、この度出動された警備隊、救助隊、航空隊のみな様、
やりきれない空振りではあったけれど、まぁオロクの収容やるよりはずっと気持ちは楽であったと納めてください。

本当にご苦労様であり、お疲れ様でした。




それにしても、昨今の西穂はちょっと遭難多過ぎる……





































Comments: 1

海月 URL 2017-03-28 Tue 20:06:33

私も還暦を迎え、漸く息子が来年卒業します。自分の好きな山スキーを本格的に再開すべく準備を進める方向です。先ずは慣れ親しむ乗鞍岳、立山、西穂高をと計画するつもりです。でもこの山域が遭難事故が多いことも事実です。
若い頃よりは体力、耐寒能力もなく、若い頃でさえ強風下での行動が危険な事を自覚していたのに、いまその状況判断が出来るか不安です。
トムラウシ遭難事故の教訓を読んで低体温症や気候・雪質の変化・雪崩の予兆等もう一度勉強するつもりです。
でも雪山は最高です。良く実力の知り合う人たちとしか行かないつもりです。恐いですから。
救助活動は常に命がけでしょうから、そのモチベーションの維持管理は大変ですね。頑張って下さいというのと、自分達の安全確保最優先にして下さい。活躍ぶりを期待しております。



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