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2010年05月 Archive

風の花 ニリンソウ

ニリンソウ01
(EOS7D+EF100mmF2.8L Macro)


ニリンソウ

英名;Soft Windflower
学名;Anemone Flaccida

林床にまだ明るい陽差しがふりそそぐ早春の頃、白い可憐な花を咲かせるのが「ニリンソウ」です。
その大群落は、あたり一面に白いカーペットを敷いたごとくみごとなお花畑となります。

この山麓に春を告げるニリンソウは、僕に早世してしまった二人のかたを思い起こさせます。

おひとりは穂高小屋の初代支配人の神憲明(じん・のりあき)さん。
昨年12月に間質性肺炎という難病でこの世を去られました。

ジンさんは僕が小屋へ入った当時の支配人。
小屋番としての仕事を一から教わりました。
またジンさんは自然を撮る映像作家としても活躍され、
僕が今、こうして映像を撮っているのもジンさんの影響が大きいです。

 藪の中に消えかかった小道をニリン草の花畑へ急いだ。道を間違えそうになって慌てて元に戻り、また道を捜した。 きっと今ごろはという予想は的中して、サワクルミの森の中にひっそりとニリン草が咲いていた。(中略)
 毎年春を感じるたびに、今頃は草のてっぺんに二ッ並んだ白い花を咲かせていることだろうか、流れが変わって枯れていないかとか私の秘密の場所のことがとても気にかかる。 (神憲明著「穂高は生きている」より)


この「私の秘密の場所」をジンさんは僕にこっそり教えてくださいました。
以来、僕も毎年のようにこの「秘密の場所」でニリンソウの撮影を行っています。


(Camera: AJ-HDC27F)


もうおひと方は渡辺哲也さん。
植物と山と自然をこよなく愛した映像演出家です。

渡辺さんとは15年ほど前からたびたび映像制作をご一緒させていただき、
その真摯で優しい自然と映像への眼差しに、僕は多くのものを学ばせていただきました。

その渡辺さんの長年の友達であるのがドキュメンタリー映画監督の伊勢真一さん。
映画「奈緒ちゃん」をはじめ、素晴らしいドキュメンタリー作品を数多く演出されたりプロデュースされたりしています。
伊勢さんが渡辺さんへの追悼作品として作ったのが「白い花はなぜ白い」という映画。
何も自分が関わっているからというわけではなく、名作だと思います。



ジンさん、渡辺さん、
それぞれキャメラマンと演出という異なったポジションではあったけれど、
僕はお二人からそれぞれに、計り知れない多くのことを教えていただきました。

お二人に共通して強く感じたのは、その愛情に満ちた自然への真摯なまなざしです。

そんなお二人から教えていただいたことを胸に、これからも僕は映像をつくってゆきたい。


合掌





「風の花」 ニリンソウは、
今年もサワクルミの森の中、
見わたす限りのお花畑となって風にゆれていました。






















新緑

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-05-27 Thu 11:41:01
  • 穂高
小屋のすぐ裏から一直線に落ち込む谷、白出沢(しらだしさわ)。
この沢は穂高小屋への最短ルートであるにかかわらず、信州側のルートに比べていつもひっそりと静かです


今から25年も前のこと。
4月の小屋開けから新人として穂高小屋へ入った僕は、山小屋での生活を驚きととまどいのなかで過ごしていました。
途方もない量の除雪、水道や電話のない暮らし。
なにより周囲の穂高の景観に圧倒されながらの日々でした。
そうして夢中で過ごしたひと月が過ぎた5月下旬のある日、小屋主の英雄さんのお供で下山することとなったのです。
颯爽と白出沢をグリセードで駆け下りる英雄さんの背中を、危なっかしい足どりで追う19才の僕です。
今では百回以上登り降りして「通勤路」とも言える白出沢ですが、あの時はなにしろ初トレース。
ほうほうの体で白出小屋へとたどりつきました。

そして汗まみれで見上げた樹々の新緑の美しさといったらなかった。

およそひと月あまり、ひたすらモノトーンの雪の世界と格闘してきた身には、まるでトンネルをぬけて光のなかへ飛び出るように、その「緑」の色彩が目映かったのです。

ひとくちに「緑」といっても新緑にはありとあらゆる緑があります。
そしてその輝きは「生命」に満ちていると思うのです。

その後、僕は見事な「涸沢の紅葉」も目にすることとなりますが、今でも個人的には紅葉より新緑のほうが好きです。
上高地のケショウヤナギをはじめとした新緑も素晴らしいですが、ほとんど人に会うこともない飛騨側の白出ノ森での撮影は、僕のこの上ない至福の時間です。

今年は寒さの影響で少しその時期が遅かったようですが、ようやく樹々も新緑に輝き始めたようです。

今日、これから白出沢を下山しようと思います。



(Camera;HDW-700,HDW-750,AJ-HDC27F)
















雲海

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-05-26 Wed 21:48:05
  • 穂高
3000mの稜線はよく「雲上の」とか「雲の上」とか言われますが、実際には「雲の中」の日もけっこうあって、
一昨日からほとんど周囲の視界はありません。

でもときどき広がる雲海の日には、まさしく「雲の上」。

次にアップした映像はここ1週間ほどのあいだに見られた雲海をまとめたものですが、
こんな見事な雲海の日には、下界は曇っているのかなぁ(あたりまえか…)

ものごとというものは、見る人の視点によってさまざまに捉えることが出来るわけですが、
雲の上と下みたいに物理的に見る位置が違えば当然その風景も異なります。

でも、どんな厚い雲が頭上にあっても、
その雲の上には青空が広がっているのだと思えたら、ちょっとしあわせかも。



(EOS5DMark?&EOS7D+EF24mmF1.4L?、EF50mmF1.8?、EF100mmF2.8Macro)












映画「岳」撮影

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-05-23 Sun 05:04:41
  • 穂高
一昨日、昨日と、
映画「岳」の撮影が奥穂高岳周辺で行われていました。

gaku


撮影スタッフやガイドをあわせると約40名の大部隊でしたが、
皆、「よいものを撮りたい」との熱気にあふれていました。
主人公、島崎三歩役の小栗旬くんは、
折り目正しくとても気持ちのいい青年で、
僕たち小屋番とも気さくに酒を酌み交わしたりしてくれて、
「ええやつ」やなぁ~ と。

原作の漫画も、
僕のレスキューの師匠であるシノさん(東邦航空 篠原秋彦さん)や、
兄貴と慕うタカシさん(涸沢ヒュッテ社長 山口孝さん)がモデルとなっているキャラクターが登場したりして、
とても好きな作品です。
なにより原作者ご本人の山への気持ちが表れていてとてもよい。

是非とも映画も成功するよう、応援しています。












何やら奥穂が…

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-05-21 Fri 12:52:32
  • 穂高
昨日は見事な夕焼けとなりました。

0520夕陽
(FinePix S5pro+Tamron SP AF 10-24mm)







で、今日はこんな青空。

0521-1
(EOS5D Mark?+EF24mmF1.4L?)

先日の雨で雪融けがすすみ、黒い岩肌が目立つようになったのがお分かりかと思います。
小屋前の雪も1mちかく融けたでしょうか。
(それでも深いところではまだ5m以上ありますけれど)

今年は厳しいコンディションがつづいていた奥穂への稜線もところどころ岩の縦走路が露出し、
ハシゴ場上部の雪壁もだいぶ緩んだようです。
(もちろん、まだまだアイゼン・ピッケルは必携ですが)





さて、その奥穂方面が今日は何やら騒がしいようで…

0521-02

いったい、何が行われているのでしょうか…

















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